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2023.12.09
「継続は力なり」
どんなことも継続をする事で、成功に繋げる。
必ずしも実が出るとは限りませんが、継続するからこその意味がある。
地道なことの繰り返しが力を付け、人は成長をする。
それこそが成功なのだと僕は思っております。
第2回は、その言葉がピッタリな職人をご紹介。
場所は栃木県足利市にあります、小池経編染工所。
こちらでは名前の通り染色を行っており、当日のInstagramでも、じわじわと染まっていく様子に魅了され、思わず声が出た動画をアップしています。
(見ていない方は是非チェックを。)
ただ、映像だけだと一見、機械主導の製法に見えますが、そこに辿り着くまでのプロセスにかなりの試行錯誤が…。
初めに、染色を施す際に様々な汚れを落とす作業を行います。これを精錬漂白といい、不純物などがあると染色にムラができ、均一に染まりにくくなる為、この作業を行います。
小池氏曰くムラが1番の天敵で、少しでもあると職人の技術として0点と仰っていました。
とても大切な作業なのです。
その工程が終わるといよいよ染色です。
ただし、本命にしてここが1番の難関ポイント。
まずは、サンプルで用意された色を出す為に、およそ100種類程の染料から選び抜き、調合し、同じ色を作り出さなければならないのです。
(大量の染料が入った倉庫。)
小池氏の拘りとして、妥協せず染料にはコストを掛け、その分良い色合いを出す事に注力しているとのこと。
確かに高い服程、満足感はもちろん、その後のパフォーマンスや期待値は他と比べ物にならないなぁと、ふと思いました。
その配分された染料をお湯で溶かし、機械に投入します。
(今回はフェードネイビーの色を投入。)
小池氏曰く、投入してから機械内の温度をじっくり上げ、およそ10分間生地に染料を味わってもらいます。
染色には重要なポイントが幾つかあり、最も重要なのが温度です。
温度も出来上がりの良し悪しに左右される為、機械に投入したからといって気の抜けない工程。
料理も弱火だけだと深みに欠けるし、強火過ぎると焦げるし、様子を見ながら調理しますよね。
そんな簡単な事ではないですが少し似ている気がしました。
そう思ったのには他にも理由があります。
というのも染色の工程にはレサイプという、言わば染色のレシピたる物があり、一色一色それを見ながら行っているのです。
もちろん元々あるレシピではなく、小池氏の長年の知識と経験が合わさった物になります。
(これまでの戦歴を見せて頂きました。)
そこにはこれまでの苦労が…。
一回で染まるのを前提として行うのですが、やはり色によっては当然難しいものもあり、何度も何度も試行錯誤を繰り返し、思い通りの色を出すのです。
今シーズン、STEPSで取り扱っているカラーの中で特に難しかったのは、80sGREENだったそう。
確かに他のグリーンとは違い、渋く深みのある色合いとなっております。
(まだ店頭でもご用意がありますので、気になる方は是非ご覧下さいませ。)
その後もう一つの重要ポイントとして、染まった生地に塩を投入。
この塩というのも特別な物ではなく、何処にでもある物で、試しに舐めさせて貰いましたが、正真正銘の塩でした。
本当に料理みたいですよね。
この隠し味が入る事によって、絞っても抜けにくくなり、綺麗な色が付くのです。
またしてもここで時間をかけ塩を生地に馴染ませます。
(しっかりと染み込んでいました。)
ここまで来たら終盤となり、その後は余分な染料を洗い落とし、ソーピング、そして完成になります。
ここまででも大分時間のかかる工程でしたが、トータルではおよそ6〜7時間を要すそう。
小池氏曰く他の工場だと人数の多さなどもありますが、半分くらいの時間で全ての工程が完了すると仰っていました。
ここまでするのにも拘りが。
小池氏は「あえての手間や時間をかければかけるほど、生地が応えてくれる。」と。
その時間とあえての手間、労力によってTIEASYだけの他にはない、独特な色合いが出ているのかと見学をして初めて実感しました。
「地道な事の繰り返しが人を成長させる。」
例え最初は派手な方法や、人目を引くような行動で無くても、その先の目標に腐らず、折れずに向かえば、最終的に周りを惹きつける魅力が出るのだと小池氏を見て僕は感じました。
生地の雰囲気ももちろん独特ですが、色にも強い拘りが出たブランドという事を皆様も覚えておいて下さい。
今日も目を引き、自然と手を伸ばしたくなる素敵な色のTIEASYをご用意してお店でお待ちしております。
吉祥寺店 雨宮