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2022.09.28
ソックスの跡 -26- SEEK&FIND
椅子を抱えて持ち帰ったSEEK&FINDの岩波です。
思ってもないところで偶然出会って、
気づいたら抱えていたエキパルチェア。
太陽の国メキシコで15世紀から同じ手法で作られている、
原始的なロング(ロングロングロング)ライフデザインの魔力。
ピンと張られていた豚革の座面は、
僕の身体に沿ってゆっくりと馴染み始めています。
倉敷ノッティングを敷いて、
座り心地も見た目もアップデート。
部屋にこんなに心を満たしてくれる椅子があると、
いつもはページの進みに波のある読書が捗ってしまうし、
なんだか最近本の引きも良い。
読書の秋なんて言葉がギリギリ似合うくらいの気温にはなってきました。
ということで、今回は読書感想文と行きます。
最近読んだとっておきの一冊。
前川さん、全て自邸でやってたんですね
– 前川國男のアイデンティティー –
著 / 中田準一
(2015)
前回のブログでも触れましたが、
前川國男の設計した建物の雰囲気が大好き。
でも、
前川國男の建築のどんなところに惹かれているのか。
コルビュジェの下で培ったモダニズムの精神?
人間尺度による心地良い空間?
近代建築に日本の伝統的な建築要素を組み込むことによって生まれる親密さ?
前川のもとで働いていた著者によるこの本を通して分かったのは、
目に見えるものに魅力を感じていたのではなく、
目に見えない、建築に宿った前川の生き様に引き寄せられていたのだなということ。
旧前川邸の解説、前川の残した言葉、前川事務所時代の働き方など、
なかなか知り得ない興味深い話が盛りだくさん。
読み終えた後には、小金井公園にいきたくなると思います。
ではまた。