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NEW 2024.11.20
ソックスの跡 -40- SEEK&FIND
早朝の高速道路が好きなSTEPS登山部の岩波です。
11/12(火)
ナビの時刻は5:54を指していて、僕たちが乗る車は中央道の渋滞しない方の線を西に向かって走っています。
後部座席にはパンパンに詰まったザックが2つ。
そうです、また山です。
この季節、天気が良かったら山に行かないと勿体ないのです。
今回もゲストはこの方。
唐辛子の唐揚げを頼んで後悔した、STEPS下北沢店の大渕さん。
前回のブログで突発的に発足したSTEPS登山部。
あれから月に一度のペースで気ままにハイクを楽しんでいます。
とても眩しそうな表情の大渕さんは今回が3度目の山。
もう”HAWAII”と書かれたTシャツは着ておらず、快適なウールのTシャツを自慢してきました。
今回お邪魔したのは東京都の最高峰、深田久弥が選んだ日本百名山にも名前を連ねる雲取山。
雲も取れてしまいそうに高いから雲取山。(諸説あり)
標高2,017m、20.4㎞の道のりを7時間かけて歩く行程です。
霧が浮かぶ奥多摩湖の紅葉は見ごろの一歩手前。
登山口からしばらくは木の陰のなかを緩やかに登っていきます。
森林区間が終わると岩場の多い急斜面に変わり、標高もグングンと高く。
息の上がる登りを越えて七ツ石山のピークに立つと、雲取山まで続く尾根道が目前に広がります。
そのあとはアップダウンを繰り返しながら、じわじわと山頂に近づいていきます。
不安定な足元に気を付けつつ、クネクネと体の向きを変えながら。
そうすると次第に辺りの樹木が低くなり、冷たい風が強くなっていきます。
昼食のカップヌードルが脳裏にちらつき始める。
蓋を開けた瞬間の湯気と香りを思い出しながら一歩、また一歩と無駄に重いシューズを持ち上げます。
到着。
登ってきた道を眺めながら至福の一杯をすすり、雲の流れをポーっと眺めて空の近さを感じる。
尖った岩に座り、我々が山に登る理由を考えます。
なぜ休みの日にわざわざ早起きをし、自転車よりも重いザックを背負い、このような僻地を目指して何十キロも歩くのか。
汗をかいて体を冷やし、足のつま先の皮を削り、翌日の体の痛みに怯え、来なければよかったと30分おきに思いながら。
それでも街に戻ると、ふとした瞬間になんとなく登山地図を開いてしまう。
登ったことのない山や通ったことのない登山道を指でなぞってイメージ。
ルートのバリエーション、アプローチの方法、必要とされる時間。
気がつくとそこに行くための算段を考え始めてしまうのです。
僕の場合は自然を感じたいわけでも、心身の健康の為でもないはずです。
そんなのはわざわざ山に行かなくても、多摩で済んでしまうので。
ただその地図に描かれた場所を自分の足で歩いてみたい。
自分の目で見てみたい。
そしてそれを成し遂げることで、もしかすると自分は少しだけタフになれるかもしれない。
そんな興味や期待が自分を山に向かわせているのかも。
まだ発症したばかりですが、登山は一種の病気かもしれません。
皆さんにとっての洋服と同じように。
いや、大切なことを忘れてた。
気持ちよく温泉に浸かるためだった。