2023.02.15

一日一服 / 顔のみえるバッグ SEEK&FIND

そこは埼玉県比企郡鳩山町

 

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遡ること一年前、2022年2月10日。

古くからお付き合いさせていただいている方(以下、Kさん)の紹介で

とあるバッグブランドの存在を知りました。

 

HPやInstagramを拝見すると

都会的で洗練されている印象とともに

どこかゆったりとした暖かな雰囲気を感じます。

 

聞けば、埼玉県の小川町にほど近い鳩山町という

緑豊かな町に工房を構えて

デザインから裁断・縫製にいたるまで全ての工程をご夫婦二人で手がけているとのこと。

 

東京でも豊岡でもない

鳩山町という聞き馴染みのない地名

 

1から10まで全ての工程を自分たちで完結させる

ベンチメイドな生産背景

 

どんなモノなのかはもちろん

どんなヒトが作っているのかが気になり

しばらくの間、妄想が膨らみました。

 

 

ブランド名は

“SOUTHERN FIELD INDUSTRIES”

岡田学さん・恵子さんのご夫婦が手がける

幌布と革を使ったバッグや革小物を中心とするブランドです。

 

 

そして昨年の10月頃、

ついに工房にお邪魔することができました。

 

最寄駅となる東武東上線 高坂駅まで、車で迎えにきてくれた学さん。

柔らかな物腰に落ち着いた声色から人柄の良さがすでに溢れていた。

 

工房までの道中ではせっかくだしと、少し遠回り。  

路地とも私道ともとれるような細い道をぐいぐいと進んで、田畑が広がった長閑な風景をみせてくれました。

 

 

 

この日は人影がなかったものの、

藁を乾燥させている情景や、

納屋の脇に置かれた桑などの手道具から

鳩山町に暮らす人たちの足跡のようなものを感じました。

 

Kさんは写真を撮りながら

“豊かだね〜、最高ですね。”と、しみじみ一言。

その言葉に”ハッ”とする僕..。

 

ほどなくしてご自宅兼工房に到着。

ブランドの経緯などをお話いただき、いざ工房へ。

 

 

 

 

手の届く範囲に設置されたミシン、

整然と並べられた裁断待ちの生地、

仕事の足跡を感じる裁断バサミやワークブーツ。

その空気感からはモノづくりに対する”丁寧な姿勢”が感じとれます。

 

 

 

そしてその”丁寧な姿勢”は、

きっと岡田さんご夫妻が

自分たちの声に耳を傾け、自分たちのペースで、

おおよその顔が浮かぶなかで日々の暮らしやモノ作りをしているからなのかな、と勝手に思っています。

大風呂敷を広げすぎずに、届く範囲・届けられる範囲でクオリティを高めていくこと。

 

物産展で見かける”生産者の顔がみえる野菜”

“お客様から生産者がみえている状態”は大なり小なり安心感がありますよね。

一方で、”お客様の顔を生産者がみえている状態”が

本来の健康的な”顔の見える状態”であることだと聞いたことがあります。

 

取り扱うお店やその先のお客様が見えているほど、

身近な方が浮かべが浮かぶほど、

意図せずとも(自然に)丁寧なモノづくりを心掛けていくのでは、と。

 

地元の物産を多く取り扱う道の駅や農産物直売所、

豆腐工房わたなべという地元の大豆を中心に使ったお豆腐屋さん、

地元住民に長く愛されている昭和30年創業の高柳製麺所。

 

鳩山町ならではのローカルスポットを紹介していただくなかで、そんなことを思いました。

 

 

 

近日、”SOUTHERN FIELD INDUSTRIES”のバッグが店頭に並びます。

きっとそのとき僕の頭には岡田さんご夫妻とKさん、

そして複数名のお客さまの顔が浮かびます。

 

 

少しずつ、少しずつ、

SOUTHERN FIELD INDUSTRIESの魅力と岡田さんの人柄を皆さんに、

そして皆さんのことを間接的にでも岡田さんにご紹介できたらな、と思っています。

 いつかお互いに”顔がみえるバッグ”になるように。

 それでは。

SEEK&FIND

東京都武蔵野市吉祥寺本町2-18-2 リッツ1F

MAP

TEL:0422-27-5733

営業時間:11:00〜19:00