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2025.10.15
ソックスの跡 −45– STEPS吉祥寺

片口にかけそばを盛る際は、注ぎ口にワサビを添えます。
STEPS吉祥寺店の岩波です。
夏の間、もりそばやらかけそばやらを飽きる一歩手前くらいまでたくさん食べました。
僕の中ではもうこれしか食べないぞと言うくらい気に入っていものがありまして、もりそばなら小川製麺所の「とびきりそば」、そしてかけそばなら同じく小川製麺所の「味のそば」。
つゆは贅沢に、どちらに対してもにんべんの「つゆの素 ゴールド」。
これで決まりです。
指定の茹で時間より30秒短く茹で上げて、指が痛くなるような冷水でキリッと締めるのがこだわり。
そんな調子で今日の昼(10/13・月曜日)に「味のそば」を食べた時に、「あぁ、冷たいおそばを家で作るのも今年はこれでおしまいだな。」とか考えてしまいました。
そう、まだ少し汗ばむくらいの日もありますが、気持ちはゆっくりながらも着実に秋冬にシフトしているのです。
秋物の洋服への物欲も、もちろん止まりませんし。

と言うことで、秋っぽいブログが書きたい所存です。
食欲の秋、読書の秋。
秋という季節がもたらしてくれる話題はたくさんありますが、今回はこの秋に読み返したい本について。
皆さんは一度読んだ本を読み返すことはありますか?
僕は気に入った本は何度も繰り返して読んでしまうタイプで、そんな読み方をしているせいでなかなかジャンルの幅を広げられないのですが、やっぱり読み返したいと思わせてくれる本には何か特別なものがあります。
年を重ねることによって得る感覚も変われば、読む季節が変わるだけでも想像の膨らむ向きが変わる。
そんな変化を楽しみながら生涯を通して付き合っていきたい本が何冊かあります。
この夏は久々に、村上春樹の長編を12冊ほど読み返しました。
鼠三部作を読みながら「やれやれ」と呟いてみたり、12気筒の紺色のジャガーで広尾あたりを走るイメージをしてみたり、、中古のスバルとの間に生まれた親密性について頭を働かせたり。。。
年齢を重ねても相変わらずで恥ずかしいのですが、僕はあの手の少しきざなディテールに心をつかまれてしまいます。
まあそれはさておき、この秋に読み返したいと思っている本がたくさんあります。
寒くなる前に埃を払い落としたい3冊をご紹介しますね。


① 評伝 柳宗悦 / 水尾比呂志
民藝関連の本が好きでそれなりの冊数を読んできましたが、圧倒的に充実した気分を味合わせてくれたのがこちら。
タイトルの通り、民藝運動の中心人物である柳宗悦の生涯を事細かに記した評伝です。
著者の水尾比呂志は柳に師事した美術史家。
柳のすぐそばにいたからこそ成せた、非常に筋の通った評伝を書き上げています。
この本を読んで僕は、民藝を違う角度から好きになっていることを自覚しました。
物理的な魅力ではなく、柳の思想が大きく影響している民藝の精神面です。
僕は単行本で買ってしまったので持ち歩くのにも一苦労なのですが、文庫も出ています。
民藝に少しでも興味がある方には非常におすすめ。
僕も鞄を重くしながら、2周目をたのしみたいとおもいます。


② 山のパンセ / 串田孫一
登山が好きな方へ。
登山は山だけでなく、本の中でも楽しめますよ。
偉大な作品を残した登山家は沢山いますが、僕の肌にピタッと会うのはやはり串田孫一。
代表作の「山のパンセ」は山をめぐる随想集で、バイブルにしている方も多いはず。
「パンセ」というのはフランス語で思考や思想を意味するそうです。
これを読んで山に入ると、自分の足取りのその一歩一歩の意味合いや、見える景色に対する受け取り方が変わってくるかもしれません。
少なくとも僕は変わった自覚があります。
山歩きが気持ちいい季節。
歩けない日はこの本を楽しみたいと思っています。


③ 極上の孤独 / 下重暁子
この本はですね、すごい良かった気がするんですけど最後に読んだのが昔過ぎて…(笑)
ここにあげといてなんですが、紹介できるほどの記憶がございません。
ただ、読み終えたその時に「面白い!もう一度読みたい!」と思ったことだけはおぼえているんです。
なのでちゃんと内容を説明できるように読み返しておきますね。
ぜひお店で感想を聞いてください。
岩波
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